生理前に情緒不安定になって泣いてしまう…対処法はある?PMDD(月経前不快気分障害)とは

2024-04-11生理

生理前に情緒不安定になって泣いてしまう…対処法はある?PMDD(月経前不快気分障害)とは

生理前にイライラや不安で涙が止まらなくなったり、彼氏に怒ってしまったり…。そんな経験ありませんか?実はこれ、「月経前不快気分障害(PMDD)」と呼ばれる症状かもしれません。

この記事では、PMDDの症状や原因、エビデンスにもとづいた効果的な対処法を紹介します。

この記事を読めば、生理前に情緒不安定になる理由と、自分にあった対処法を見つけることができますよ。生理前の不快な症状や不安から解放された、穏やかな自分を取り戻しましょう。

生理前に情緒不安定になってしまうのはなぜ?

生理前に情緒不安定になってしまうのはなぜ?

生理前に情緒不安定になって泣いてしまったりするのは、体内のホルモンバランスが崩れるためです。

症状の特徴を確認して、からだの中でで何が起こっているのかを知ることから始めましょう。

 

多くの人が感じている生理前の心の症状

生理前に感じる心の症状には次のようなものがあります。

症状 詳細
情緒不安定 気分の波や急激な気分の変化を感じる。些細なことで怒ったり、泣いたりする。
不安 負担よりも不安感が高まり、心配事が増える。
抗うつ感 悲しみや絶望感、無価値感を感じる。
イライラ いつもよりイライラする。小さなことで怒りやすくなる。
集中力の低下 仕事や勉強など集中して行う必要のある活動に影響が出る。
エネルギーの減少 何となにをするにも意欲がわかない状態になる。
睡眠障害 睡眠が浅くなる。寝つきが悪くなる。逆に過剰に眠くなる。
食欲の変化 特定の食べ物(特に甘いものや炭水化物)への強い欲求が出る。食欲が不規則になる。

これらの症状は、個人差が大きく、全てが当てはまるわけではありません。症状の程度も様々です。

なぜ情緒不安定になるのでしょうか?

月経周期に伴い体内の女性ホルモンの量が変化します。すると、気分を落ち着かせたり不安感を取り除いたりする神経伝達物質セロトニンの働きが低下し、情緒不安定を引き起こすと考えられています。

実際には、ホルモンや神経伝達物質はストレスの影響を受けやすく、月経前の不快な症状の原因はさまざまで、ひとつに断定することはできていません。

 

PMSとPMDDの違いって何?

月経周期に伴う不快な症状には、PMS(月経前症候群)PMDD(月経前不快気分障害)があります。

PMSは月経前に現れるイライラ、不安、気分の落ち込み、頭痛、腹痛、胸の張り、疲労感などの身体的、感情的な症状があります。多くの女性が何らかの形でPMSの症状を経験しています。

PMDDは女性の約3~8%の人に現れる症状です。PMSの症状がより強く現れ、日常生活や社会生活に支障を来たすほどの心の不調があり、うつ病と同様の精神疾患として考えられるケースもあります。

 

PMDD(月経前不快気分障害)とは

PMDD(月経前不快気分障害)とは

PMDD(月経前不快気分障害)がPMS(月経前症候群)とどのように違うのか、PMDDについて詳しく解説します。

 

PMDD(月経前不快気分障害)の症状

生理周期に応じて次のような症状が出たり消えたりする場合は、PMDD(月経前不快気分障害)の可能性があります。

  • 自分で抑えきれない激しいイライラ、怒りの気持ち
  • 不安になる。緊張する。
  • 抑うつ気分になる。絶望的な気分になる。
  • 涙が止まらない。泣く。突然悲しくなる。
  • 必要以上に攻撃的な言い方になる。
  • 引きこもりがちになる。疲れやすくなる。
  • 判断力や集中力の低下
  • 不眠や過眠など睡眠の変化

特に精神面に出る症状が強く、医学的にはPMS(月経前症候群)と分けて考えられています。

他の疾病と大きく違うところは、症状が生理の約1〜2週間前に始まり、生理が始まると2、3日で症状が治まる点です。

 

PMDD(月経前不快気分障害)が起きる理由

PMDD(月経前不快気分障害)の正確な機序は解明されていませんが、PMSと同様に生理周期にともなう女性ホルモンの変動がきっかけで起こります。

SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)が有効な治療手段となることから、生理による女性ホルモン変動が脳内のセロトニン分泌に影響を与えることが原因のひとつだと考えられています。

セロトニンとは

必須アミノ酸トリプトファンから生合成される脳内の神経伝達物質のひとつ。ドーパミン(喜び、快楽など)やノルアドレナリン(恐怖、驚きなど)などの神経伝達物質を調整して、気持ちを落ち着かせる働きを持つ。セロトニンの分泌が減少すると情緒不安定になる。

また、現代では就労女性の増加、高齢出産、核家族化といった社会変化により、女性が感じるストレスが変化・増加しています。これらの社会変化は月経前症状を強め、よりPMDDのリスクを高めています。

 

PMDDになりやすい人

以下に該当する人はPMDD(月経前不快気分障害)になりやすいとされています。

  • ストレスが多い環境にある
  • 責任感が強い、几帳面といったストレスを溜めやすい性格
  • 喫煙、飲酒などの生活習慣
  • うつ病、不安障害、パニック障害など神経疾患の既往

PMDD(月経前不快気分障害)に有効な対策6つ

PMDD( 月経前不快気分障害)は症状が重いため、生活習慣の見直しと並行して、医師による薬物療法や低用量ピルなどによる根本的な改善を検討しましょう。

この章では、エビデンスにもとづいた効果的な対処方法を7つご紹介します。

 

1. バランスの取れた食事

栄養バランスの良い食事を心がけ、カルシウムや亜鉛を含む食品を積極的に摂取します。

食事から摂取するのが難しい場合は、サプリメントを活用するのもおすすめです。

 

カルシウムとビタミンD

カルシウムとビタミンDを組み合わせて摂取したところ、月経前の不快な症状が軽減されたという報告があります。カルシウムとビタミンDの血中濃度は月経周期によって変動します。カルシウムを摂取することで体内のカルシウム濃度の変動を抑え、月経による不快な症状を改善します。

ビタミンDの役割

ビタミンDには、カルシウムの体内への吸収を促進する働きがあります。

亜鉛

亜鉛は性ホルモンが正常に作用するのに必要なミネラルです。亜鉛の血中濃度は月経周期中に減少します。濃度の低下はイライラ、うつ、情緒不安定などの症状を引き起こします。亜鉛を積極的に摂取して、不快な症状を緩和しましょう。

出典:Nutritional practices to manage menstrual cycle related symptoms

2. カフェインとアルコールをひかえる

カフェインやアルコールの過剰摂取は、PMDDの症状を悪化させる可能性があります。過度のカフェインやアルコールの摂取は控えるようにしましょう。

 

カフェイン

カフェインには交感神経を刺激し、心拍数や血圧を上げる作用があります。そのため、イライラや不安感、怒りっぽさなどの症状を悪化させる可能性があります。

カフェインを摂取する女性のPMS(月経前症候群)の有症率を調査した研究があります。1日1杯のカフェイン飲料を飲む人は飲まない人の1.3倍、8~10杯の飲む人では7.0倍にまで有症率が上がったと報告されています。

厚生労働省のサイトではカフェインの1日の最大摂取量を400mg(およそコーヒー3杯分)としていますが、PMDDの症状緩和を考えると飲まない方がよいでしょう。エナジードリンク、眠気覚まし用飲料(清涼飲料水)などには多量のカフェインが含まれているので注意してください。

出典:Caffeine-containing beverages, total fluid consumption, and premenstrual syndrome.

アルコール

アルコールは少量なら気持ちをリラックスさせる効果がありますが、大量の飲酒は運動機能障害や意識障害を引き起こします。大量の飲酒は、飲まない人に比べて月経前の不快な症状を起こすリスクが高まことが分かっています。

大量の飲酒は、飲酒自体が睡眠障害やうつ病といったこころの問題を招くおそれもあります。穏やかな気持ちで自分らしく生活するためにも、日々の飲酒は適度な量にしましょう。

厚生労働省では純アルコールの1日の摂取量を20g、ビールに換算すると500ml(中瓶1本)程度の量を推奨しています。顔が赤くなるなどのアルコール代謝能力が低いかたは、より少量に抑える必要があります。

出典:Premenstrual syndrome and alcohol consumption

3. ストレスをへらす

PMDDには性格や心理的ストレスなどの精神的・心理的要因が強く関係しています。

適度な運動と十分な睡眠時間を確保して、ストレスを軽減しましょう。趣味に打ち込んだり、リラックスした時間を意図的に持つことも、ストレスの発散には効果的です。

出典:女子大学生における月経前不快気分障害の有病率と関連要因

4. 適度な運動をする

適度な運動によって、月経に伴う不快な症状が改善されることが分かっています。

ランニングをした人とそうでない人を比べた研究では、3ヶ月で約51Km走った人たちは月経前の不快な症状が改善したと報されています。

スポーツ選手のような過度の運動は、逆に身体ストレスになりよくありません。やったりやらなかったりというよりは、「ひと駅分歩く」「なるべく階段を使う」といった、日常生活の中で毎日取り入れられる運動がオススメです。

出典:Conditioning exercise decreases premenstrual symptoms. A prospective controlled three month trial

5. 漢方を処方してもらう

漢方薬は月経関連症状に広く使われています。PMDDの症状には、加味逍遥散や当帰芍薬散、桂枝茯苓丸など、いくつかの漢方薬が効果的とされています。

漢方は体質によって効果の現れ方が人それぞれです。また、体質改善を目標にする場合は効果が表れるまでに時間が掛かります。医師または薬剤師に相談して、効果を確認しながら服用するのがよいでしょう。

出典:精神科からみた PMS/PMDD の病態と治療 

6. 低用量ピルを服用する

ドロスピレノン含有の超低用量ピル(製品名:ヤーズ)はPMDDの症状軽減に効果があります。ホルモン剤を服用することで体内のホルモンバランスを整え、PMDDの症状を緩和させる目的で使われます。

ピルといえば避妊のイメージが強いかもしれませんが、重度の月経困難症の治療薬として医師から処方される薬のひとつです。生理痛の軽減や経血の減少、女性特有の病気の予防などさまざまな効果を得られることが分かっています。

ニキビや肌荒れなど、ホルモンバランスの崩れが原因で起こる皮膚疾患を改善する目的で使用する人もいます。

症状が重い場合は、他の病気が隠れている可能性もあります。自己判断せず、医療機関を受診して、適切な診断と治療を受けましょう。

出典:精神科からみた PMS/PMDD の病態と治療 

オンラインでピル診療!低用量ピルの処方ならエニピル

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生理前に情緒不安定になって泣いてしまう…対処法はある?まとめ

生理前に泣くなどの情緒不安定は体内のホルモン量が変動し、気分を調節するセロトニンの量が変化することでおこります。

PMS(月経前症候群)は軽度から中等度の症状を示すのに対し、PMDD(月経前不愉気分障害)は生活に深刻な影響を及ぼす重度の精神的、身体的症状が特徴です。

対策は以下の通りです。

  • バランスの取れた食事
  • カフェインとアルコールを控える
  • ストレスをへらす
  • 適度な運動をする
  • 漢方を処方してもらう
  • 低用量ピルを服用する

症状の緩和には、定期的な運動やストレス管理、バランスの取れた食事が有効です。症状が重い場合は、薬物療法や低用量ピルにより症状を根本から改善する必要があります。

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